株式会社カチップ
設 立 2010年7月
本 店 神奈川県川崎市
主な事業 ・ソフトウェアの企画、開発、運用
・ホームページの企画、開発、運用
ほか
*大槻美菜行政書士事務所では、2010年7月、株式会社設立のお手伝いをさせていただきました。
インタビュアー コメント
私にとって、カチップ様は、きっと生涯忘れられないお客様です。なぜなら、私の行政書士人生の、記念すべき第一号のお客様だからです。
当時は、ただ、手続きをこなすだけで精一杯で、じっくりと業務のお話を伺う余裕もないまま、気がつけば、あれから一年が経っていました。ですので、今回、改めてビジネスの詳しいお話や、将来の展望などを伺うことができて、本当に嬉しい限りです。
未だに普通の携帯電話を使う私にとっては、「iPhone」や「iPad」は、未知の道具です。そんな、スマートフォンやタブレットのアプリを作る会社を立ち上げ、とても面白いビジネスアイデアを持っている今野さんのお話は、新鮮なものばかりでした。
今回は、今とても熱いマーケットである、スマートフォンアプリ業界で起業して、ちょうど丸一年になる今野さんに、お話を伺いました。
[2011年7月29日]
●インタビュアー:大槻 美菜
●インタビュイー:株式会社カチップ 代表取締役 今野 昭彦さん
「スマートフォン業界って、いま、どうなんでしょうか?」
僕が、去年7月に起業したときは、スマートフォンは、2015年くらいまでは普及しないだろう、って、言われていたんですよ。アナリストも携帯電話のキャリアの人たちも、そう考えていて。
そうなんですか。
そうしたら急激に普及して。予想外でしたね。
それは、一般の人々の取り入れるスピードが、業界人の予想を超えていたということですか?
そうです。例えば、「au」なんかも、当初、スマートフォン出遅れ、なんて言われていましたけれど、それくらいキャリア側も、予想していなかった状況なんですよね。
ちなみに当初は、「iPhone」一人勝ちの雰囲気でしたが、今は、「アンドロイド」が追い上げているんですか?
もう、「アンドロイド」ですね。
そうですか。
最近の、スマートフォンの販売チャートというか、オリコンのようなものがあるんですけれど、今だと、「エクスペリアアクロ」が一番売れていて、次が「ギャラクシーの」、、、って、分からないですよね?(笑)
分からないです(笑)
アンドロイドの機種なんですけれどね。今は、上位3、4位までが全部アンドロイドです。その下に iPhone がいる感じで。
なるほど。ちなみに、この順位の逆転って、ソフトバンクは予想していたことなんでしょうか?
予想していたと思いますね。iPhone って結局、アップル1社ですけれど、アンドロイドは、サムソンもNECもLGもありますからね。あと、ソフトバンクは、未だに、通信が弱いっていう弱点があって。
未だに弱いんですね。
僕は、全ての仕事の電話をスマートフォンに転送させていますから、つながらない、っていう状況は、絶対に無くさなければいけないんですけれど、そうなると、ソフトバンクは、通話では使えない。
通話で使えないとなると、アプリで使う?
アプリで使う。
iPhone のアプリは、2台持ちしてまで持ちたいほどの、価値のあるものなんでしょうか?って、作ってるご本人に向かって、大変失礼なんですけれど。
いえいえ。iPhone は、今までの歴史が長いということや、開発会社も iPhone アプリに力を注いできた、という経緯があるので、現時点では、iPhone アプリの方が、クオリティの高いものが多いです。
そういうものなんですね。
ただ、今後は、アンドロイド用のアプリをまず作って、iPhone 用は後にしよう、という動きになると思いますよ。
カチップさんは、どちらがメインなんですか?
うちは、スマートフォン、という括りでやっているのと、あとは、タブレットと言われる、iPad なんかのアプリも、やっています。
iPhone と iPad のアプリは、同じもので対応できないのですか?
いけなくはないですけれど、解像度や仕様が、違いますからね。
そうか。
例えば、今うちでやっている、iPhone のアプリで、こういうものがあるんですけれど…
某アルバイト情報誌の iPhone アプリ。雑誌同様にアルバイト情報がたくさん紹介されているページ上で、矢印マークをクリックすると、PCなどでよくある等間隔スクロールではなく、各アルバイト案件のど真ん中に、ぴったりと焦点を合わせて画面が移動していく。
えーー!これはすごい!
これはねえ、僕が考えたんです。こういう動きになるようにしてくれって。言ってみたらできちゃって。
すごい!これって、画像の区切り位置を認識させている、っていうことですよね?
そうです。
これは、相当大変な作業なんじゃないですか?
とても大変です。画像を全部、座標で区切ってあって、さらに、この位置にはこの案件が入っている、というのを、全てデータベース化してあるんです。
ものすごいシステムですねえ。
これはねー、結構、お金をかけています。
「ちなみに、前職って何をされていたんですか?」
携帯サイトを作る仕事でした。
制作もされていたんですか?
僕は設計ですね。お客さんと話をして下絵を描く、という仕事です。ここにボタンがあって、ここにはこの要素が入って、ここの文字は何文字にしましょうか、なんていう、細かい詰めを全部するんです。
へー。
それを、デザイナーとかコーダーの人たちに説明して、作っていく。これはまあ、スマートフォンもPCも携帯サイトも、みんな同じですけれど。
「今、仕事をしている技術やさんたちは、サラリーマン時代に築いた人脈ですか?」
それが、全然違います。
違うんですか?
全部、一から探しました。
起業後に?
そうです。
それは、大変でしたね!どうやって探されたんですか?
いろいろな方法ですけれど、マッチングサイトなんかも使いました。あとは、交流会に出たりとか、ですね。
技術やさんの交流会、ですか?
例えば、スマートフォン用のコーディングの勉強会、とかですね。やっぱりデザイナーなんかは、新しい技術を知りたいのでそういう会に集まってくるんですよ。
どういったところが主宰しているんですか?
制作会社だったりしますね。そういうので、デザイナーの交流会があったり飲み会があったりして、名刺交換をして、実績を見て、いけそうだなと思ったら、お願いしたり。
そうなんですかー。
でも、今後は、どんどん内製化できれば良いですね。
内製化?
もちろん、特別な技術が必要な場合なんかは、エキスパートのフリーランスに頼んだ方が、良いものができることも多いので、そういうところとはパートナー契約を結びつつ、それ以外の単純な作業は、内部で完結させていくようにしたいですね。
そうなんですか。
そしてもう少し、利益を出していかなければ、というのが、ここ最近の課題です。