一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会
設 立 2012年4月
本 店 東京都新宿区
主な事業 ・樹上動物とアニマルパスウェイに関する啓発活動
・各種自然保護団体の支援事業
ほか
*大槻美菜行政書士事務所では、2012年4月、一般社団法人設立のお手伝いをさせていただきました。
インタビュアー コメント
大手ゼネコン大成建設の中で、20年以上も前から地球環境問題に取り組み、その縁で一般社団法人を立ち上げることになった大竹さん。
動物好きで、森が好きで、ヤマネやリスの様子をとても楽しそうに話してくださいます。
「アニマルパスウェイ」は、一般社団法人の前身である研究会によって創られた造語です。
森が道路で分断されてしまうと、動物の交通事故が増えたり遺伝子の多様性に弊害などが起きるため、樹上生動物が安全に森を行き来できるよう、道路の上に渡す橋のことです。
費用の問題などさまざまな壁はありつつも、野生生物や自然保護のために、法人を設立して活動される様子についてお話を伺いました。
[2012年6月26日]
●インタビュアー:大槻 美菜
●インタビュイー:一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会 代表理事 大竹 公一さん
『法人化されて、今、どんな活動をされていますか?』
環境省の外郭の一般財団法人自然公園財団が出している「國立公園」という月刊誌があるのですが、ここに初めて「一般社団法人アニマルパスウェイと野生生物の会」の名前が出ました。
(冊子を見せていただく)
おお、載っていますね。これはどこで配布されているものですか?
各国立公園のビジターセンターや、自治体などに配布されるみたいです。
ほうほう。
それと、北海道で「野生生物と交通」という研究発表会があるのですが、ここにも発表しています。
北海道ですか?
野生生物と交通の問題というのは、世界的にあるんですけれども、日本の場合は、北海道が一番盛んかもしれません。なぜかと言うと、やはり北海道は野生生物が多いのと、エゾシカの交通事故が、たくさん起きているので。
先日、北海道の旭山動物園でエゾシカを見ました。エゾシカは北海道の人たちにとって、守るべき動物でもあるけど、やっかいな動物でもある、と書かれていました。
そうなんです。今、オオカミがいなくなって、ものすごく増えちゃっているんですよ。だから今後、日本でもオオカミを復活させようという話もあるんですよ。
へえ。
ただ、当然、オオカミによる被害もありますから、反対する人もいます。でも、アメリカのイエローストーンなどでは、オオカミを復活させて、自然環境のバランスが取れるようになってきているんですよ。
なるほど。
それと、ボルネオでの活動もしています。今、ボルネオは、パーム椰子畑を作るために、熱帯雨林がほとんどなくなってきているんです。
はい。
熱帯雨林には、オラウータンだとかボルネオ象がいるわけで、でも、周りがパーム椰子畑になってくると、殺されたり罠にはまったりしちゃうものだから、安心して住める場所に動物を移して放そう、というような活動を行っているNPOを支援しています。
大成建設さんでは、元々そういった取り組みをされていたのですか?
大成建設では1989年ごろから始まったかな。 いま「リオ+20(国連持続可能な開発会議)」が終わったばかりですが、リオサミットの頃から企業というのは、地球環境問題に目覚めてきていますね。
そうなんですね。
当時一番問題になったのは、熱帯雨林材を使った型枠、いわゆるラワン合板というやつですね。
ラワン合板?
皆さんの家の壁などにも、だいたいラワン合板を使っていたりするんですよ。
知りませんでした。
ベニヤですよ、ベニヤ板。コンクリートを打つでしょ。コンク リートを打設する時に、ラワン合板を型枠として使うんです。だから、熱帯材が、もったいなく使われている、と一時期、建設業界も批判されたことがあるんで す。今では代替型枠などで熱帯材の使用もかなり少なくなっています。
なるほど。
そんなこともあって、私は2年ほどローマクラブの事務局のあった社団法人に出向していたんですが、戻ってきたら、地球環境をやれと言われました。
ほうほう。
それから、ずっと20年間やっているわけです。
20年!長いですね。
地球環境問題については、先駆的に地球環境部門を設置するなど本格的にやったんですよ。内容的にも結構いろいろやってきていますよ。